― 君 色 星 ―
しかし…、大切なもんって。
うちには特にそんなもんないのに。
金を払う必要がないなったからキャバクラ辞めただけや。
でも……
でも……
カズくんがおらんかったら、うちは延々とキャバ嬢やらされとった。
それはおそらく確実やろうと思う。
カズくんを巻き込むハズやなかったのに、結果的にカズくんを巻き込んで、助けられて…。
純粋やったカズくんを、汚れた世界に案内してしもた気がして、うちは罪悪感でいっぱいやったのに
カズくんはただただ、うちのこと、あったかい毛布で包むように守ってくれた。
やから、もうカズくんをこんな目にあわすんは止めよう…ゆうて思た。