― 君 色 星 ―





「そしたら、そん時中学生やったケン兄ちゃんが一生懸命なぐさめてくれてな。うちが寂しないように、学校終わったらいっつも遊んでくれた」



「うん」



「うち、そんな優しいケン兄ちゃんが大好きやった。でもな、『幼なじみ』とか『兄ちゃん』としてじゃなかった、これはうちの初恋やった」







それを言うたら、カズくんの相づちが止まった。





別に聞こえへんかったわけやないと思う。





さっきまでと同じ声量、同じトーンで話しとるのに、そんなわけないやろ。





それでもうちは話を続けた。






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