― 君 色 星 ―
香織の携帯をしっかりと耳に押し付ける。
すぐにダイヤル音が聞こえ、しばらくしてプルル…という呼び出し音が聞こえてきた。
大丈夫。
中村さんは絶対にこの電話に出る。
何てったって、今まで無視され続けてきた香織の番号からかけてるんだから…!
何回かの呼び出し音が鳴った後、電話を取る音が聞こえた。
『もしもし…、香織!?』
…ほら、思った通り。
中村さんが携帯を取ったことが分かると、香織は複雑な顔をしながらミルクと砂糖がたっぷり入ったコーヒーを一口すすった。