― 君 色 星 ―





「カズくん…、ありがとう。うち、スッキリしたわ」





香織は携帯を俺から受け取りながら微笑んだ。





「いや、年上なのに少し無礼なこと言っちゃったな」



「かまへん。大阪人は打たれ強いんや。こんなしょーもないことでケン兄ちゃんも怒らへんわ」



「ああ…。じゃあ、もし家族か中村さんが香織を訪ねてきたら、ちゃんと対応しろよ。それが香織の義務だ」






俺がそう言うと、携帯をしまった香織はコーヒーカップを口に付けながらそっと笑った。






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