― 君 色 星 ―





「だからさ」





カズくんの澄んだ言葉が聞こえて、うちは視線をカズくんの横顔に移した。





ほんのり月明かりに照らされて月を見上げるカズくんは、何物にも汚されない微笑みを見せていた。






「傷ついた分だけ、魅力ってのは増すんだな」






カズくんはそう言って、うちの方にその微笑みを向けた。






ドキン…






うちの心臓の鼓動が、一瞬高まった。





カズくん。



それって、うちのこと、言うてくれとんの?





汚れて、傷ついたうちも、カズくんには綺麗に映る……?






< 219 / 328 >

この作品をシェア

pagetop