― 君 色 星 ―
「…ちょ…っ、やめろ!!」
『お礼』の内容に気付いた途端、途切れそうになりかけた意識が戻ってきた。
俺は急いで崩れ落ちそうな堤防を復旧させる。
そして…
俺は理性と力をフル動員させて、彼女の動きを止めた。
再び両手首を掴まれて、動けなくなった彼女。
その瞳はかすかにうるんでいるように見えた。
「…なんで?男って、こうやったら喜ぶやん?」
まるで子供が素朴な疑問を親に聞くかのように、彼女は俺に聞いてきた。
何の疑いもなく、何の悪気もなく―――。