― 君 色 星 ―





そして、中村さんは薄茶色のコーヒーを一口飲んだ。





「香織の気持ちに応えられんでごめん。でも俺ずっと香織を実の妹や思てるから、家族のこと、俺と乗り越えていこう……って」






その時。


俺の部屋のチャイムが鳴った。





壁時計の時刻を見ると、8時半手前だった。





「あ、香織さんですかね。少し待っていてください」





俺は中村さんにこう告げて、玄関先に向かった。





少し重い玄関のドアをゆっくり開ける。






すると、香織が小さなレジ袋を持って俺の前に現れた。






< 232 / 328 >

この作品をシェア

pagetop