― 君 色 星 ―
俺がそう諭すと、強気に出ていた彼女がしゃがんだまま下を向いた。
そして、俺に後頭部を見せたまま、彼女は消えそうな声でポツリとつぶやいた。
「愛、なんて………、無いわ」
「え?」
俺が聞き返すと、彼女はゆっくり顔を上げた。
その顔は真っ赤で、今にも泣きそうだった。
「この世に愛なんか無い言うとんねん。エッチは男を喜ばせるもんや!!アンタ、ええカッコしとったらそのうちアホな女に引っ掛かるで」
そう言うと、彼女は服装を正してとぼとぼと玄関の方まで歩いて行った。