― 君 色 星 ―





「そうやな。香織の親父さんもお袋さんも、言えるわけないやんな」



「知らんかった…。そんなうち貧乏やったんや…」





ポツリと出た言葉は悲しい響きに聞こえた。





「しゃあないって。香織もバイトしてんねやろ?みんな頑張らなあかんのや。香織は何も悪ない」





ケン兄ちゃんはそう言いながらベッドの方まで歩いてきて、うちの隣に座った。





「でも…せめてうちが大阪の大学通っとったら、こんなことにはなっとらんかもしれへん…」





キャバクラで働いとった時の給料が残っとったら少しは違たんやろうけど、そんなん全部ショウの店のツケに回ってしもたしな。





やっぱり…、うちがアホやったわ…。






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