― 君 色 星 ―





「ケン兄ちゃんも大阪帰るんやろ?うち、それについてくわ。ちゃんと帰って、家族と話してみる」





すると、ケン兄ちゃんは安堵したような微笑みを浮かべた。





「そう思とったわ。ちゃんと新幹線、指定席買うとるから。明日、一緒に帰ろ。俺も香織の親父さんとお袋さんに会うし」





その言葉と共に、ケン兄ちゃんは新幹線のチケットをうちの前に差し出してきた。





明日の午後1時過ぎに出発する新幹線の指定席券を眺めながら、うちは小さい声で言った。





「バイト、休まなあかんな」














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