― 君 色 星 ―
- side KAZUHIKO
朝イチの、学科の専門科目の講義が行われる教室のドアを開け、一歩入ったところで、目の前に徹司が現れた。
「和彦♪あけおめ〜、ことよろ〜!」
ニッコリと満面の笑みの徹司が、俺の視界いっぱいに映る。
「…その、略された挨拶、気持ち全然感じないんだけど」
「いやぁ〜、4文字で長ったらしい挨拶を述べられるなんて、俺、この時代に生まれて良かったな〜♪」
俺の言葉をうまくかわしたのか、ただの自己満足だったのか。
徹司は楽しそうに鼻歌を歌いながら自分の席についた。
俺も徹司に続いて教室に入り、徹司の横の席に座った。