― 君 色 星 ―
カバンを開け、次の講義の教科書とノートを準備する。
すると、横から徹司が話し掛けてきた。
「なあ、和彦。俺、香織ちゃんに新年の挨拶したいんだけど♪」
「どうせ俺にしたような挨拶だろ?そんなのどうでもいいし」
「いやいや!!俺、しばらく香織ちゃんに会ってないし。近況とかもちょっと話したいじゃん?」
「俺だって、今年まだ香織に会ってないよ。それにお前は……」
「ん?何だよ?」
「下心丸出しだろ」
俺がそう言った途端、徹司は「ははは」、と笑った。