― 君 色 星 ―
それは…
願ったり叶ったりだな。
宇宙開発については、アメリカはパイオニア的存在だし、そこで英語と一緒に専門の勉強までできるなんて、まさに俺の希望通りじゃないか。
「その大学はうちの大学と相互協定を結んでいて、大学に編入して単位を取ると、それがうちの大学の単位にもなる。専門の科目となれば、私の卒業論文の単位も免除しようと思っているから、他の皆とは少々遅れるが、留学期間が終わる1年後に帰国すれば卒業することができる」
「…はい」
「まあ、急な話ではあったとは思うが……、どうだい?渡航費と学費の8割はうちの大学が負担するから、経済的には大丈夫だろう。私は悪い話だと思わんのだが、まだ返答期限には時間があるから、ゆっくり考えたまえ」
正式な返答期限は、1か月後。
俺としては、すぐにでも「YES」という答えを出したいのだが…
一つだけ、気にかかることがあった。
それは香織のことだった。