― 君 色 星 ―





「香織」





カズくんの穏やかな言葉と共に、急にうちの視界が暗なった。





それと同時に感じた、あったかい大きなもの。





…それは、カズくんの身体やった。





ただただ涙を流すしかないうちを、カズくんはしっかり抱き締めてくれとった。





「嫌やぁ……。カズくん、行かんで……」





子供なん、うちも分かっとる。





けど、うちはカズくんの胸で泣きじゃくるしかなかった。














< 294 / 328 >

この作品をシェア

pagetop