― 君 色 星 ―
- side KAZUHIKO
目の前の香織が、顔を真っ赤にしながらポロポロと涙をこぼして
「無理に行かんでもええやんか…」
と、俺のアメリカ行きを引き止めようとしている。
その姿は、幼い子供が駄々をこねているようにしか見えない。
けど、俺は「かわいい」と思った。
気が付くと、香織を自分の元へ引き寄せ、抱き締めていた。
どうしてこんなことしたのか、よく分からない。
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