― 君 色 星 ―





ショウの遅い夕食もやっと終わったところで、うちらはショウの家に帰ることにした。





ショウと手をつないで、夜の街を歩く。






…ふと、空を見上げた。





今にも落ちてきそうな真っ暗な闇に輝くのは、少し左側が欠けた月だけやった。





「…星、見えへんなぁ」





ポツリと言った独り言が、どうやらショウにも聞こえとったらしい。





「…星?見えなくてもここは繁華街だし、この明かりが星みたいなもんだよ」





そう言うて、ショウはうちに微笑みかけてくれた。





前髪に隠れて、あの優しい瞳は見えへんかったけど。





「そっか。そうやな」






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