― 君 色 星 ―
「あ〜あ。俺、和彦に卒論手伝ってもらおうと思ってたのに」
翌日。
空港の国際線でカズくんの見送りをした。
そこに集まったのは、うちとテッちゃん。
他の人はもう挨拶を済ませているから、大ごとにしたくないカズくんが見送りを断ったらしい。
「…どうせ、9割方俺が書くことになるんだろ?まあ相談ぐらいなら乗るから連絡してこいよ」
カズくんは軽くメガネを指で押し上げながら、テッちゃんにそう返した。