― 君 色 星 ―





「じゃあ…、俺、行くから」





長いアナウンスが終わった後、カズくんがポツリと言った。






ついに、この時が来たんやな。






「気を付けてな」





カズくんは寂しげに右手を挙げたテッちゃんに笑顔で頷いた。





「カズくん……、行ってらっしゃい」






ヤバイ。





泣くつもりなんか、これっぽっちもなかったのに。





うち、たぶん目ぇに涙たまっとるやろな…。






< 324 / 328 >

この作品をシェア

pagetop