― 君 色 星 ―
- side KAZUHIKO
パソコンに向かっていた顔をふと掛け時計の方向に上げて時間を確認したら、もう午前1時だった。
はあ。
ようやくこのレポートも終わりそうだ。
俺は少し休憩しようと、ベランダの窓を開けて外の空気を吸った。
そして、そっと夜空を見上げてみる。
今日は満月の少し前。
真っ暗い夜空の真ん中で、左が少し欠けた月が柔らかな光を放っている。
…やっぱり今日は星が見えそうにないな。
月の光に邪魔されて、いつもはよく見える星たちが俺の見えないところに隠れてしまっていた。
このレポートを書き終わったら、寝るか。
俺は眠気と戦う前に濃いコーヒーを淹れて、それをブラックのままぐっと飲み干した。