― 君 色 星 ―
何故だか分からないが、香織のいやらしい喘ぎ声が俺の頭の中を支配する。
初めて出会った時、俺が香織に襲われそうになったからか…?
今はとにかく、気を紛らわせたかった。
「そう、俺。今から出れそうか…?」
何となく話し相手が欲しくて、徹司を誘おうとした。
携帯電話を肩と耳の間に挟んで話しながら、玄関のカギをかけようとしていた…
その時。
いきなり隣の405号室の玄関のドアが開いた。
危うく携帯を落としそうになるほど驚いた。