― 君 色 星 ―
「おい!違うって……」
すかさず反論しようと思ったら、徹司はそのまま俺の肩から手を離して雑誌コーナーに向かい、おもむろに雑誌をあさり始めた。
…なんだよ。
反撃ぐらいさせてくれよ。
俺は大きくため息をついて、やっと飲める熱さになったコーヒーを口にした。
しばらくして雑誌を何冊か持って、徹司が席に帰ってきた。
「和彦、見ろよ。この子、絶対お前のタイプだと思うんだけど…」
そう言いながら徹司が指差したものををチラリと見ると、キャバ嬢専用のファッション雑誌に、さっき俺が見た女に雰囲気が似た、大人っぽいセクシーな女が写っていた。