― 君 色 星 ―
「…まあ俺も玄関のカギ開けたままだったから悪かったけど」
しばらくの沈黙の後、ソイツははにかみながら頭をかいた。
「君、かなり酔っ払ってたみたいだし、仕方ないから気付くまで俺の家で休ませてたんだ」
「よ、酔っとったぁ?」
嘘や!
酒にはめっぽう強い、このうちが酔っ払うわけないやろ?
「ああ。でも隣の部屋か、良かった」
ソイツは少し安心したような表情になって、何やら筒のようなもんをのぞき込んだ。
…そういやさっきからベランダにあるこのデカイ筒、何なんやろ?