― 君 色 星 ―
メールは大学の友達から何件か来てたみたいやけど、特に大した用でもなさそうやし。
そう思て携帯を閉じ、着替えよう思てクローゼットをあさっとったら、さっき手を離したばかりの携帯が鳴った。
「もう…!誰や?」
今日着ていく服を持ったまま携帯のサブディスプレイを見ると、声も聞きたくない男の名前が映し出されていた。
着信:ケン兄ちゃん
うちはその名前を見た瞬間、ベッドに携帯を力強く放り投げた。