― 君 色 星 ―
- side KAZUHIKO
朝イチから午前の講義をこなして、いつものように学食で昼食を食べた後、昼イチの講義が無かった俺は、大学の図書館で調べ物をしていた。
航空宇宙工学の分厚い本と、ミニノートパソコンを交互ににらめっこ。
こうしている時間が、最近は一番ホッとしているような気がする。
昔から、天文関係や航空宇宙工学関係の本を読んでいたら、時間を忘れるほど集中できたが……
そう、彼女に出会った時ぐらいからだろうか?
俺の周りの世界が、急に騒がしくなってきた。
俺自身は変わったつもりはないのだが…
とにかく周りの濁流に巻き込まれるのを避けるかのように、俺はますます調べ物に精を出すようになった。