― 君 色 星 ―
俺は前々からJAXAで人工衛星やロケットのエンジニアやりたいって言ってたけど…
コイツ、さてはまたできやしない夢語ってやがる…とでも思ってたのか!?
「あー…、マジだったのか。確かに英語は必要だよなぁ…」
「ああ。ネイティブの先生んとこ行って、聞く話すの練習してる」
まだ驚きが隠せなくてポカンとしている徹司の肩をポンとたたいて、俺は次の講義が行われる教室へと身体の向きを変えた。
「頑張ってな!」
俺に肩をたたかれ、やっと正気を取り戻した徹司は、背中を向けた俺に大声でそう言って、校門の方角へと歩を進め始めたようだった。