僕と君
放課後の部活、
だんだん近づいてる夏の大会のために
集中しないといけないのに、
〔今日は麻衣と帰る〕その事で頭がいっぱいだった。
ミーティングが終わり、早足で教室へ向かった。
ドアを開けた瞬間、
時間が止まったように感じた。
「あ、孝介君だ」
笑顔で言う麻衣の顔は、月の明かりに照らされ
見とれてしまうほど、綺麗だった。
「孝介君?」
「・・・あっ、ゴメン!じゃ、帰ろうぜ」
電車に乗り、家までの道のりを行く。
麻衣と話し込んでると、目の前に少しおじいちゃんっぽい警官がやってきた。
「そこのカップルさん、早く帰りなさいよ。親が心配するぞ。」
その言葉だけ言うと、パパッとどこかへ行ってしまった。
「カップルだって~。私たち、そう見えてるのかな?」
ネックレスを握りしめながら麻衣が言う。
「はは、そうかもな~。」
笑って流したけど、ちょっとだけ嬉しかった。
本当にカップルになれればいいのによぉ。
話していると、いつの間にか麻衣の家の前についた。
「じゃ孝介君またね。バイバイ」
「おぅ、明日な~」
手を振り返し、自分の家へと向かった。