僕と君
(やべっ、消しゴム忘れた!)
「桐山君、どうしたの?」
オロオロしている俺をみたのか、
同じグループの名前が分からない子が、話しかけてきた。
「あ~、消しゴム忘れてさ、」
「じゃ、使って!」
「サンキューな!えっと・・・」
「高橋麻衣(タカハシ マイ)だよ」
「ありがと!高橋さん!ごめんな、人の名前覚えるの苦手だから」
「ううん!いいよ!てか、桐山君の事、恐い人と思ってた!」
「なんで?」
「だって、野球部じゃん!」
え、まじ。
野球部=恐い人たち
になってんのかよ!
「はー。何気にショック・・・。」
「え、ゴメン!ヒドイ事言って!」
「いやいや、んなに謝んないでいーよ!」
「ほんとゴメンね。」
「大丈夫だって!一応、見た目が恐い感じの奴らいるから、そんなイメージついても、おかしくねぇし!」
「桐山君って、いい人だね!」
満面の笑みで、高橋さんが言った。
「へ?」
「とにかく、いい人だよ!桐山君は!」
自分の顔が、赤くなっていくのが分かった。
「あ、ありがと。」