僕と君
「どうにかなんねぇかな、ファン達。」
ボソっと祐が呟く。
お前のファンが多いんだから、お前が対処しれよ。
「ノック始めるぞ。」
監督の声でノックが始まった。
レギュラー陣だけのノック。
俺のポジションはショート。
(きつい。)
ノックをやって一時間は経っている。
脱落した者だっている。
しかし、負けたら終わり。
レギュラー落ちだ。
その時、フェンスの外に2人の顔がハッキリ見えた。
高橋さんと香奈恵。
高橋さんは、コッチを見ているようで
ニコっと、笑顔を向けた。
なんか、笑顔を見て急にやる気が出た。
「っしゃぁぁ!!」
俺は、一声あげ、気合いを入れ直し再びノックを受けた。