団☆乱ラン【番外編】〜須具利家のシーズンイベント〜
「おはようございます。」
あたしは、仕事場では、美人で優しくおしとやか“大和撫子”で通っている。
誰もあたしの本性を知らない。
勿論。あたしが
“海老で鯛を釣ろうとしている”事にも気づきもしないだろうし……
「須具利くん。ちょっと……」
所長に呼ばれた。
「…はい?」
キョトンとした顔でついて行く。何のことだか全く分からないわ。の表情を崩さない。
演技は完璧!
心の中は来たッ!!
目に写るのは所長の手に揺れるペーパーバッグ──あの、深くて黒っぽい紫色は……