団☆乱ラン【番外編】〜須具利家のシーズンイベント〜
「オイッ!コレ誰のだ?」
「ああ、それ須具利先輩のです。」
「は?コレ、どう見たって手作りだよな?」
「えっ!手作り!」
「嘘っ…」
「本当だぁ!タグついてない!須具利君彼女いたんだ?」
「あんな冷血S野郎に?─まさかぁ!」
「先輩、S系男子って今流行なんですよ?」
「いやいやいやいや、有り得ないからさ?」
「だって、あいつ“檸檬ちゃん命”だ……ム、ムグッ!」
「誰れの噂話かなぁ?加藤、くん?」
!!
「「「「「ウワッ!!」」」」」
「出たなッ!神出鬼没ッ!!」
同期生の加藤が“空手”の構えのポーズで僕に向かって身構えている。
「……」
─ここにもいた“痛い奴”が。
“須具利君が研究室にいると、空気が張り詰めるなぁ。”
教授が以前そんな事を言っていた。
正に、今がそれだ。
さっきまでのざわついた室内が一気に凍りついている。