団☆乱ラン【番外編】〜須具利家のシーズンイベント〜
「えほうまき?あぁ、ナンダソレハ!?」
テーブルの真ん中の大きな平皿に鎮座している海苔巻きを箸でつつきながら、隆兄が言った。
「わあっ!この海苔巻きすげーよ!」
目をキラキラ輝かせて、爽くんが大声をあげた。
「エビに、カンパチ、マグロも入ってるよ!」
すげーすげーを連呼する爽くん。
これぐらい、喜んでもらったら、一生懸命作った甲斐がある。
「俺、カンパチ嫌い。」
静くんが海苔巻きを一瞥しながら言う。
「……………。」
こーいうヤツが一番主婦のやる気をなくさせるんだよなぁ。言い方があるじゃん…もっとさ。
「と、父さんは、檸檬が作る物なら、なんだって喜んで食べるよ?─死ななきゃいいんだからさ?美味しくたべよう?な、静くん?」
「そうそう、死ななきゃいいんだから……って、あたしの料理ってどんだけなのさ!?」
怒りを露わに突っ込んだあたしを見て、父さんは笑っていた。
「あははは!!檸檬!ナイスツッコミ!!」
…………。
怒る気も失せた。