ゲーム(青春)
プロローグ
「お前に出会えて本当に良かった。ありがとう。」
「おう!俺の方こそありがとう。」
堅く組んでいた肩を、そろそろ離さなければならなかった。
「…拓海。最後に、お互いの願いをひとつだけ叶えてあげるってのはどう?」
「いいね。じゃあ、一緒に、せーので言おうぜ。」
おっけ、と呟いた光は、せーのと言った。
「離れたくない」
一緒に出た言葉に、無理だな、と自然に出てきた涙をふいて、抱きしめあった。
「また会おう。」
「……絶対な。」
その言葉を最後に俺たちは、それぞれの夢へと進んでいった。