FAIRY†SONG
ラルドは月を眺めていた

あの後
みんなに別れをつげ
エルアの様子を
ランに任せて立ち去った



別れ際
エルアがラルドを呼び止めて
言った言葉が頭から
はなれなかった




目を瞑れば
エルアの白い服に
赤く染まった血が思い出される

苦しそうな息遣いまで



「くそっ‥‥!」


ラルドは固く拳を握った


悔しかった



「あの時‥‥震えなければ‥!」


エルアが怪我することは
無かった




「なんで‥‥ありがとう‥なんだよ‥!!‥エルア!」




強くなりたい‥‥





いや‥






強くなってやる!!



月も照らすこの夜
ラルドは決意を固めた
< 60 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop