FAIRY†SONG
「‥痛むんでしょ?」



帰り道にコルトが言った


「大丈夫だよ?」


「左手‥動いてないから‥」



エルアは歩みを止めた

星空の下
エルアは笑ってるように見えた


「ごめんね‥エルア‥。私‥」


「神子がいちいち竜騎士に謝らないの!」



「でも‥‥!」



「大丈夫だから。あたし元は竜だし。なかなか死ねないんだよ‥」




またいたずらに笑った




「‥ありがとう‥!エルア!!」





ありがとう‥エルア‥

私、今は何もできないけど

恩返ししていくから‥!





「帰ろう?」

「うん!」





決意を固めた
2人の右手に
紋章が移っていたことは

2人はまだ知るよしもなく







村に帰りついた時
こっぴどくアウラに
叱られたことが
村でのいい思い出に
なってしまったことは


2人だけの秘密


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