桜咲け!
初カレと桜!
ギィィィ・・・
アタシはいつものように元資料室へと足を運んだ。
五十嵐クンと秘密の会話(口パクの)ができたうれしさから鼻歌なんか歌って。
「~♪~♪~♪」
アタシの鼻歌に混じって低くて聞き覚えのある声が聞こえた。
「どうした?・・・鼻歌なんか歌って・・・」
「!!!!」
アタシの目の前にいたのは予想道理。五十嵐クンだった。
「何で・・・?ココに?」
「今日伝えたろ・・・?」
そう言いながらパニくるアタシを後ろから抱きしめる五十嵐クン。
「な!?・・・へ!?」
五十嵐クンの広い肩に包まれるのはとても心地よくって・・・。
「五十嵐クン!?・・・意味・・・分からない!!」
「何が?」
首筋を何か熱いものがたどる。
「・・・な・・・んで?・・・こんな・・・こ・・・と?」
声が震える中アタシは必死に抵抗した。
「さっき・・・言ったろう?口パクで・・・スキだって」
「!?・・・そんなこと言ったの?」
驚いた・・・いや・・・正直・・・不思議だ。
「お前・・・うん。いいよ。って言ったろ?」
「!?言ってないよ!アタシ・・・そんな」
アタシはパニックでそれは・・・付き合いたいの?・・・アタシと!?
「・・・じゃあ・・・だめなのか・・・???」
悲しそうに俯く五十嵐クン。
「い!・・・嫌じゃないよ・・・?」
「なら・・・いいのか?」
アタシに問いかける五十嵐クン。さっきとは違う・・・見とれるほどかっこいい顔。
「・・・ア、アタシなんかで・・・いいの?」
ってアタシが言ったら
「・・・花桜じゃなきゃ・・・無理」
って言ってさっきとは違う優しい微笑で・・・優しいキスをした。
甘くて・・・熱くて・・・濃厚な・・・。


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