何色?キミ色、恋の色。 ①
なぜか涙が出る。私は龍弥の事いつも助けてあげられなくて
なのに、龍弥は私のピンチを分かるように来てくれて…。
殴られてるのに何も出来なくて…。
『何で…華那が泣く?。』
「…龍弥…ごめんなさい。ごめんなさい。」
ただ謝ることしか出来なかった。そんな自分も憎くて
憎くて…。
『気にすんじゃねーよ。何のために俺が居んだよ?。』
私は龍弥の胸元で泣いた。
声を押し殺して泣いた。いつもより悲しくて…。
「私ッ…助けてあげられなくて…ッ。弱くてッ…。」
『誰が助けろって言った?。お前に守ってもらおうなんて…。』
「…ッ。嫌だよ。1人でズバズバ行かないで?…ッ。」
『俺の事…心配か?。』
「当たり前でしょ?何で?。」
『…幼馴染としてか?。』

幼馴染として…。じゃない。本心、幼馴染とか
関係ない。今は、夏樹 龍弥と言う1人の男として見てるから。
もう…幼馴染とか深い繋がりなんて関係ない。
龍弥が好きと知ってからもう、前のようには戻れない。
そんな覚悟も出来ている。
恋人同士になったら"幼馴染"って言う関係になるのかも
私には分からない。
「幼馴染とか、もう関係ない。私は…。」
『お前は!?。』
バシッ。
いきなり龍弥の頭を叩いた私。今更になって恥かしい。
『ッてー。てめぇ…。』
「ばーか!自惚れてんじゃないよー!。」
『してねーし!!お前だろ?。』
「…そうだよ。だって…。」
『……。』
「龍弥は私の事が大好きなんだもんね?。」
間が空いた。そして無言の時間が過ぎた。
「うッ・嘘だし…本気にすんじゃないよぉ!!」
『…本気にして?。』
「はッ??。」
『俺…好きだよ…華那の事…。』
……。今、何て?。私の事が好きだって…?。
「な・何いってんの?。だ・騙されないから!。」
明らかバレてると思う…顔真っ赤だし、火がでそう。
『騙してない。華那…お前は?。』
「…何言ってんの?。龍弥らしくない。」
私の腰に龍弥が腕を回した。
『知らない。俺なんてどうでもいい。華那の気持ち教えて?。』
龍弥が私の腰元で小さく呟いた。
「私も…龍弥と同じ…好きだよ…。龍弥が。」
『まぢで…?。』
「この前気づいた。龍弥が好きだって…。」
『じゃぁ…華那…。』
ゆっくり龍弥が起き上がった。
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