恋のMELODY
■水楊の国、2人の男
・姫様と若殿様
「ちっ、逃げ足の速い奴らよのう」
「津志田の国の姫様ですな?」
頭とみえる1人の男が私の前にきた。
「えぇ…そうです」
1人の侍は気絶した郁を抱きかかえ馬に乗せる。
「ご無事で何より。ささっ、わたしらの国へ」
私の国…
津志田は滅びた。
父上…
父上も母上と同じ戦で死んだ。
戦など…!!!
「姫様?どうかなさられましたかな?」
はっと我に返る。
「なんでも…ありません」