恋のMELODY
郁も布団から起き上がり迎えに来た女中の後ろからついていった。
「そなたの名は?」
「わ、私は紀代と申します!」
紀代と名乗る女中は一度後ろを振り返り頭を下げた。
「紀代!!!姫様方を早くお通しせんか!!」
私が口を開こうとしたとこで1人の老いた男にさえぎられた。
「はっはい!!ただいま!!!姫様こちらです!!」
「ありがとう」
紀代に微笑んでから私と郁は腰を下ろした。
豪華な食が並べられていた。
半分食べ終わったころ、若殿様がはいってきた。
「食事のところ申し訳ない」
「いえ、こんなに豪華なものをお出しいただいて・・・」
「そんなたいしたものでは!!」
若殿様はそういいはるが、これはとても豪華なものであった。
「あの、それで用は・・・」
「おっと忘れるところであった!!今夜庭へ来てくれないか・・・?」
「はい?」
「ちょっと話がある…!」
ほんのりホッペを赤く染める若殿様を見て郁が怪しい笑みを浮かべ私を見た。
「分かりました・・・」