恋のMELODY
ポタッ――・・・
瑠真の腕の中で柚は静かに泣いた。
瑠真に気づかれないよう・・・
静かに、静かに・・・。
ポタッ――・・・
涙じゃないもの・・・
赤いものが…、瑠真の手にジワッと落ちた。
「!!」
血・・・
「柚お前・・・血が・・・!!」
瑠真は引き寄せていた柚の体をバッと離した。
桜羅に噛まれた傷から血が流れていた。
血の次に瑠真の目に付いたもの・・・
それは・・・
静かに静かに流れる・・・
柚の涙―――。