恋のMELODY
「ここが、水楊のお城」
城の前まで来てから柚は城に向けて指をさし、桜羅に話しかけた。
大きな瞳でお城を見上げる桜羅。
興味をもったようだ。
「柚様?!」
城の方から女が1人、かけて来るのが分かる。
「郁!」
城の方からかけてくる女は、郁だった。
「柚様!!!!ハア・・・ハア・・・」
郁の顔には汗がうっすら流れ、息もきれていた。
「どうしたの?そんなに急いで・・・」
郁の背中をさすってあげる柚。
郁はフーっと息を整えてから
「どうもこうもないですよっ!!ご無事でしたか柚様???」
泣きながら柚に抱きついた。
「え?え?」
状況がよく分かっていない柚。
だけどしっかりと抱きしめた。
桜羅は柚の陰に隠れている。