恋のMELODY
もう太陽は沈み代わりに月が闇を照らす。
そろそろ庭へ行こう…
「郁、ちょっと行って来るね」
そう言って襖に手を掛けようとした時…
「柚様!!!」
郁が大きな声で叫んだ。
私の身体がビクッと揺れる。
「な…に?」
振り向かずに言葉を投げた。
「無理はなさらないで下さいっ!!お願いですから!!」
ドキンッ
郁の言葉が心に響く。
振り向いて軽く笑ってから
「無理なんてしてないよ。大丈夫だから」
「柚様!!」
郁をおいて、部屋を後にした。
「キューン」
桜羅は柚の懐から顔を覗かせ柚に大きな瞳を向ける。
その視線に気づいた柚は頭をなでて、ニコッと微笑み
「私…決意したんだ」
桜羅に小さな声で呟いた。