恋のMELODY
・牡丹の村
「ごほんっ!えっとね、柚様をさらったのは・・・頼まれたんだ」
座りなおして霞様が話し出した。
おちゃらけていた疾風様も真剣な表情で座っている。
「頼まれた?」
「あぁ。あんたがよく知ってる奴にな・・・」
私がよく知ってるお方・・・?
いくら頭をひねっても誰もうかばなかった。
「・・・瑠真」
ドキ
「え?」
名前が出ただけでも心臓が暴れだす。
同時に自分の決意の甘さに嫌になった。
「瑠真様が・・・どうして?」
「・・・キューン」
懐から桜羅が顔を除かせた。
「んな!?狐?」
「桜色たぁ珍しい・・・」
桜羅は状況についていけず目をパチパチさせていた。
「あの、それで瑠真様はなぜ・・・?」
桜羅を抱きかかえ、脱線した話を元に戻した。