恋のMELODY



「な、何言ってるの柚様!?」


疾風は動揺を隠せずにいるよう。




「あの城には、私の大事な人達がいるんです。


それに今日は・・・」





“祝言をあげる”


そう言おうとしたけれど、思うように口が動かない。





決心したはず。


いまさら心揺れていてどうする!!



何度も何度も自分にそう言い聞かせる。






「今日、なんかあんのか?」



もう、迷わない。





瑠真様のためにも、



皆様のためにも、





自分のためにも、







これが1番良い選択だって、そう思う。




「祝言があるんです」





またもや目を見開く2人。


「だれの!?」



「私・・・のです」




「え!?だれと!?柚様は瑠真の女じゃないの!?

だから瑠真は柚様を助けたんじゃないの!?」




ズキン


胸が痛む。

“瑠真”という名を聞いただけで、心が揺らいでしまう。







「・・・」


「疾風、落ち着け」


「でも!!」



力丸が睨むと疾風は落ち着きを取り戻し座った。








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