恋のMELODY




私は黙っていることしか出来なかった。


「姫さんには姫さんの事情があんだろ。なぁ?」



力丸様・・・。


「申し訳ありません」




深々と頭を下げた。




「辞めてくれよ姫さん。俺ァ頭を下げられんのにゃあ慣れてねぇんだ」


ポンポンと頭を優しくなでる力丸。




ガラガラガラ


「おーい。朝飯できたよ~」



元気よく霞が小屋に入ってきた。




「おう」


「あれ?まだ強羅帰ってきてないの?」






キョロキョロと小屋内を見渡す霞だが、この小屋には3人しかいない。




「そのうち帰ってくるよ!ほら柚様!!いこいこ♪」

疾風様に手を引かれ違う小屋に連れて行かれた。



「でも・・・私!」





「朝飯食べてからでも、祝言はまにあうでしょ?」


二ッと笑う疾風様。

疾風様の笑顔を見ていると、大丈夫なような気がしくる。





「あー、柚様の口に合うかはわかんないけど・・・」


目の前には焼き魚に漬物、麦飯。





「おいしそ・・・」



そう言うと霞はパーッと表情を明るくさせた。





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