キス&チョコ10.ver
2/14 郁也
今年もだめだった
「由夏、どうしたんだろ?あたしたちが見えなかったのかな?」
見えてたはずだ
そして俺と目が合ったはずだ
隣にいるのはつい1週間前に告られた彼女
俺の待ち人じゃない彼女
俺の隣はずっと由夏がいて、友達だと思っているのは由夏だけ
俺はずっと由香に惚れてる
ずっと好きな由夏
なのに今は隣にいない
「はいっ!郁也」
「ん?」
「ん、じゃなくてチョコ」
彼女から渡されたのはリボンのラッピングの小さな箱
「あぁ……」