保健室ノ秘メゴト
擦れ違う想い
今日も私は独り、保健室にいる。
いつも通り。
なんの変哲もない、働き者の空気清浄機のみが動く気配のする閉ざされた空間。
私は、部屋の片隅で働く空気清浄機の動く静かな音が好きだった。
静かな独りの時間を私に提供することが、空気清浄機の何よりの仕事だと思っていた。
だけど、今日はそれすら、耳障りで。
思わず洩れたため息。
誤魔化すように、私は空気清浄機の電源を落とした。
そのまま窓の外を見遣る。
同時に、始業を知らせるチャイムが鳴った。