保健室ノ秘メゴト
傷付かなかったわけじゃない。
深く深く傷付いた。
立ち直ったわけじゃない。
何度も何度も残酷な言葉が耳奥で何度も繰り返され、その度に胸がズキズキと痛む。
それなのに。
「…馬鹿みたい、私」
自嘲しながら、彼が見つからないことに消沈している自分に心底呆れる。
そして。
それぐらい、私は相良くんが好きだったのだと、改めてわかった。
『二度と、来ないで』
そう言ったのは、私。
昼寝目的でもなんでもいい、相良くんがここを訪れてくれる奇跡のような時間を、私は自らの手で断ち切ってしまった。