保健室ノ秘メゴト

だから、私は相良くんへの気持ちを、消さなきゃいけない。

もう、心の中で想うことすらやめなきゃいけない。



…やめなきゃ、いけないのに。
馬鹿な私は。


「できないよ…」

一時の感情に流されて彼を拒絶した昨日の自分が憎い。



相良くんが私に言った言葉が酷かったからなんだというのか。

優しい言葉など、脅迫で成り立っていた私たちの時間に出てくるわけもない。

いつ傷付けられてもおかしくなって、わかっていた。



私は許すべきだったんだ。

たとえ相良くんが酷い誤解と偏見で私を見ていたとしても、少なくとも相良くんは、私に添い寝を求めていた。



心に深刻な傷を負ったとしても、相良くんの間近にいられることを考えれば、どんなことだって些末でしかないのに。