保健室ノ秘メゴト

『で?どれが先生の好み?やっぱ美少年?それとも脅せばナニしてもチクらなさそうな地味で気の弱そうな奴とか?』


揶揄する相良くんに、私は答えた。

『――…あの中には、いない』

すると、相良くんは喉で笑い、


『なんだ、やっぱ誰でもいいんじゃねぇか。昨日先生怒ったから、もしかしたら間違えたかなって思ってたんだけど』



なんだ、やっぱりか。

そう言ってまた、笑った。

呆れたような、軽蔑したような――落胆したような、そんな笑いだった。

そんな相良くんの何ともいえない笑顔に、私は小さな違和感を覚えた。

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