保健室ノ秘メゴト
「ねぇ、相良くん」
相良くんを傷付けてしまった罪は消せない。
どんなに反省しても、後悔しても、もう手遅れ。
でも。
「相良くん」
「っ?!」
ぎゅ、と相良くんの背中を抱き締めた。
相良くんは目を丸くしてガバリと身を起こしながら振り向く。
「っちょ、センセー、何を…」
「いいこと教えてあげる」
「は…」
「相良くんがここにいるかぎり、窓の向こうに好みの人が立つことは有り得ないの」
「……それは、どういう…」
警戒を滲ませる声は、傷付けられることを恐れているようで。